ネット中傷の被害を受ける人はますます増えています。
SNSで個人を中傷したメッセージは大勢の人の目に留まります。被害者となった人は、根も葉もないことを言われ心身に大きなダメージを受けることも少なくありません。
増大するネット中傷の被害の対策として、群馬県では初のネット中傷被害者支援条例ができました。
被害者をネット中傷から守るための法律です。それに伴い無料相談窓口も設置されました。
さらにはネットトラブルのために保険まで登場しています。
被害者となったときのことはもちろん、意図せずに加害者となったときの費用をカバーする保険です。
ネットであれ直接であれ誹謗中傷、悪口は人間関係を壊します。相手を深く傷つけ、人生を台無しにすることさえあります。
ここだけの話なんだから大丈夫と思うかもしれません。
ネットはもちろん電話さえなかった時代の、パレスチナ地方に伝わる昔ばなしはとてもためになります。
誹謗中傷をするならどんな結果になるでしょうか?
悪口を言う男
むかーし昔ある町に、とても優しくてなんでも知っている一人の賢者のおじいさんがいました。
皆が彼のことを尊敬していました。
ところがある日、悪い男がその賢者のおじいさんの悪口を言いだしました。
「あいつは賢そうなふりをしているが、本当は馬鹿なんだ」といいます。
ショッキングな内容に、町の人々は多いに興味をそそられます。
悪口はギャップがあればあるほど、刺激的なものです。
それを聞いた人々は家に帰って、近所の人に「今日のニュース」として伝えます。聞いた人はさらに別の人に・・・。
またたくまに町中の人が知るところとなりました。
もちろんおじいさんの耳にもそれは入ってきます。
しばらくたった時に、男は悪口をいったのは良くなかったことに気が付きます。
おじいさんの所に行って、あやまってこよう。
そうして、男は勇気を出しておじいさんの所に謝りにいきました。
「ごめんなさい。私はとても悪いことをしました。どうか許してください。罪を償うために何でもしますから」
男は必死になってあやまります。
そこで、おじいさんは不思議な条件を出します。
「お前の枕を切り裂いて、中の羽を風にまき散らすのだ」
おじいさんは、枕を破くように指示します。当時のパレスチナの人たちは羽枕を使っていました。
男はなんでこんなことを・・・と不思議に思いながらその通りにします。
ナイフで枕の外側を切り裂くと、中から羽がたくさん出てきました。羽は風に乗ってふわふわと辺り一面に舞いました。
男はもう一度おじいさんのところに行きます。
「これで良いのでしょうか?」尋ねます。
おじいさんは「では、羽を全部集めてきてくれるかな」といいました。
「そんなことは無理ですよ!羽は風で飛んでいったのですから!」
最後におじいさんは言いました。
「羽を集めることが出来ないのと同じように、言ってしまった言葉を取り戻すことはできないんだよ。」
何気なくいったつもりでも、言葉は取り消すことができません。傷つけられたおじいさんの評判を取り戻すのはとても難しい事です。
男は枕を切り裂くことにより、忘れられない教訓を学びました。
誹謗中傷の加害者にならないために
SNSなどで、他の人に関するネガティブなことを言うことは、もっと大きなリスクが伴います。
それはデバイスに残るからです。消去できるのは自分の分だけです。気が付いたときには、何十人にも伝わっていたということもあります。
相手の評判はもちろん、自分の評判も傷つけてしまいます。
風に舞って飛んで行った羽根のように、つかまえて枕の中にいれることはできません。
ここだけの話、誰にも言わないでという「ロック」はほとんどの場合無意味です。
SNSは便利なコミュニケーションツールですが、両刃の剣です。
マナーを守って賢く使おう!
アフリカの昔ばなしも面白いよ
ためになる昔ばなし 漁師に成功への道を教える学者の話 【お金と家族どっちが大事?】
昔ばなしには羽枕が出てきますが、枕は睡眠の質に大きな影響を与えます。
こちらの枕はぐっすり眠れ、おきた時に首が痛くなることはありません。
首・肩・腰の痛みを寝てるうちに治したい!〈広告〉