母は毎回歯磨きに30分ほどの時間をかけていました。
形の異なる歯ブラシを持っており、磨く場所によって使い分けていたようです。
それはさながら歯医者さんの治療器具のようでした。
それに加えて歯医者での定期検診も怠りません。
しかし、数年前から歯磨きをしなくなっていたのです。その原因は認知症です。
なぜなら明らかに磨いていないのに、本人は「歯磨きした」と言い張ります。
すべての記憶が抜け落ちているわけではありませんが、歯磨きに関してはすっかり記憶が飛んでいます。
虫歯だらけの歯になっていた!

何でも好き嫌いなく食べる母がおかずを残すようになりました。
体調が悪いのかと何度聞いても否定します。
母はそもそもコミュニケーション力が低いので、うまく説明が出来ません。
しかし、翌日母が「歯医者に行きたい」と言ってきてわかりました。
よくよく見ると歯が黒くなっているではありませんか。虫歯です。しかも一本ではない。
本人は痛くはないと言いますが、ご飯が食べられないのはかなり深刻。
以前、母が通っていた歯医者に連絡して予約をすることに。
そして、診察して明らかになりました。
虫歯だらけだったのです。
若い女性の先生からは、「抜かないとダメですね」と冷たい言葉が。
私が「抜いたらどうするんですか?」と聞くと、
先生は、「入れ歯になります。」
それに対して、私が「母は入れ歯の装着もケアも出来ません。」
いまだに何でも抜きたがる歯医者があるんだと思いつつ、別の男性の医師に抜かないで治療することをお願いしました。
ここで歯を抜いたら、認知症がもっと悪化してしまいます。
歯を温存することは非常に大事。

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これからどうするのか?
とりあえず次回の予約をして毎週歯医者に通うことに。
長期戦になりそうです。
この日は、シェアカーを使ったので、医療費以外にも費用がかかりました。
シェアカーについてはこちら⇒【レビュー】カーシェアは節約になるのか?車は買うから借りる時代?タイムズのカーシェアを利用してみた
抜かないでどこまで治療が出来るかは、先生の腕次第ですが簡単ではありません。
では、なぜこのようになってしまったのでしょうか。
一番の理由は歯磨きをしなくなったことです。
それに加えて、毎朝コーヒーにたっぷりの砂糖を入れて飲み、食パンにジャムをたっぷりつけて食べる。
おやつもあればしっかり食べます。
しかし、これからはおやつも砂糖も禁止です。これ以上悪化したら大変なことになります。
面倒ですが、毎回歯磨きをするように言わなければなりません。
どこまで回復するかわかりませんが、治癒力に頼るのみ。
歯磨きと認知症の関係
歯磨きはそもそもかなり高度な動きが要求されます。手と口を上手に動かさなければダメ。
健康な人であっても、歯をきれいに磨くのは至難の業です。
であれば、認知症があり、手先を上手に動かせない母が歯磨きを出来るわけがありません。
噛むという動作は脳に刺激を与え、認知症予防になります。
固いものをしっかり噛むことで消化を助け、健康を維持できます。
しかし、噛めなくなり、虫歯になって歯が抜けてしまうと食べるのが難しくなるのです。
そうなると、認知症が進むのが目に見えています。
本人がどこまで出来るかわかりませんが、このまま衰えるかどうかの瀬戸際と言えるでしょう。

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