初対面ではどんな風にあいさつするのでしょうか?
第一課の場面はろう者がスマホを使ってテレビ通話をしているところです。それを見た別のろう者が話しかけます。
会話内容
A こんにちは!
B こんにちは!
A あなたはろう者ですか?
B 私はろう者です。
A 私もろう者ですよ!
あなたのサインネームはなんですか?
B 私のサインネームは○○です。名前は○○です。
A 私の名前は○○です。
B 素敵な名前ですね。
キーフレーズ
【こんにちは!】
手を敬礼のようにします。
その手を前へと動かします。「オッース」というイメージ。
【あなた】
相手を指さして「あなた」の代名詞。
【私】
自分を指さします。
【ろう者】
一本指を耳元にあてる
人差し指を耳から口元へと動かします。
【はい】
じゃんけんの「グー」にします
下へと動かします。まねき猫の手。
【同じ】
腕を開いて一本指
体の真ん中で一つに合わせます
【名前】
親指と人差し指で何かをつまむような形に。
左から右へとスライドさせます
【ありがとう】
指を揃えて口元へ
前に出します。投げキッスみたいに。
名前の表し方
インド手話では名前の表し方は二つあります。
一つは名前をアルファベットを指文字で表したもの。
もう一つは手話で表したもの。「サインネーム」と呼ばれるものです。
実際の会話の中ではこちらを使用します。
ニックネームのようなもので、自分で考えます。体の特徴などを参考につけることが多いようです。
質問形にするには
インド手話で何かを尋ねるときは、顔の表情で表現します。
話し言葉で文末を上げるのと同じです。
肯定文を「?」の顔をすることで疑問文になりますが、インドの「?」はどんな表情でしょうか?
眉をひそめる、しかめっ面のような表情です。
手話で広がる世界
日本にいた時は手話を学ぶことなど考えたことがありませんでした。もちろん聴覚障碍者について何も知りません。
インドに来てから、手話に触れる機会に恵まれました。手話もろう者についても知識ゼロからのスタートです。
今では手話言語のすばらしさとろう者の豊かな感性に魅了されています。
さて、今回写真と動画に撮影協力してくれたのは私たちの親しい友達です。
オムカとパンカジという二人の若者。彼らは生まれつき聴覚障碍者です。現在は二人でルームシェアリングをしながら、自活しています。
オムカは撮影の前日にキャッシュカードがATMの機械から出てこないというハプニングがありました。
機械の中にカードが飲み込まれたまま出てきません。結局、別の年上の友達が翌日銀行に行って一緒に手続きをしてくれることになったと言っていました。
その年上の友達というのもろう者の人です。
銀行に行ってジェスチャーだけで状況を説明して、手続きをするってすごいなと思いました。
生きていくためにせざるを得ないのでしょうが、彼らはほんとになんでもできる。
たくましく、幸せに生きている彼らを見ると言葉が話せないというのは、ハンディではなく一つの個性にすぎないかのようにさえ見えます。
手話を学んでろう者の友達ができて驚きと感動にたくさん出会いました。
手話を学ぶと知らなかった景色が見えます。
手話をやろうー