7月30日の深夜便で日本に帰国する予定であった。
まさか、出国できないという事態が生じるとは想像もしていなかった。
一体何が遭った?
何が原因?
どんなふうに対処したらいいの?
一体何が遭ったのか

その日はフブリからデリーまで国内線を使って、午後六時半に到着。順調。
ターミナル2から3まで移動する必要がありましたが、近いので歩いて移動。
エアインディアで出発は0:05なので時間は余裕。ゆっくり搭乗手続きが始まるのを待つ。
横に座っていたインド人の家族は横浜在住とのことで会話をしながら一緒に待っていました。
その後、搭乗手続きを終えて、出国するためにイミグレーションの列に並ぶことに。
そこで問題が生じました。
私を担当した人は、パスポートを見るとすぐにどっかに行ってしまいました。
一体何が遭ったのでしょうか?
私はわけがわからずにひたすら待っていると、別の人を連れてきて確認。
それから、別の所に誘導。
個室で何か取り調べでもされるのかと思いきや、椅子に座っているように言われ、その状態で一時間ほど待機。
妻はすでにセキュリティーチェックも終えて、搭乗ロビーに。
そして、担当者が戻ってきて、衝撃的なことを言いました。
「あなたは出国できない。」
開いた口がふさがらない。
理由としてはFRROに登録がされていないから。
そして、チェックインカウンターに戻され、スーツケースを一つ返却するとのこと。
そこからひたすら待って、早朝の4時にやっとスーツケースが手元に戻ってきました。
もちろん、ここまで飲まず食わずで一睡もなし。
妻は飛行機に乗って日本に帰国。
そして、出国できない私はその場にいることは許されないので、空港の外に出るように誘導。
早朝の4時。でも、デリーは暑い。汗がにじみ出る暑さ。
ケンタッキーで休もうかと思ったけどまだ開店していない。
疲労とショックで茫然としつつスーツケースを引きながら歩く。
とにかく、デリーのFRROに行かなくては。
少しでも早く問題を解決して日本に帰らなければならない。
FRROに到着

早朝6時には事務所前に到着。
近くでお茶でも飲みながら待とうと思っていたが、そのようなお店は一軒もない。
何にもなくて途方に暮れる。
しばらくして、路上でチャイを売っている店を発見。
とりあえず一杯飲む。
驚いたことに、デリーはとにかくハエが多い。耐えられないほどたくさん飛んでいる。気が休まらない。
休める場所を求めて右往左往していると公園を発見。
でも、ゲートがわからなくて、これまた、行ったり来たり。
結局、ゲートがわからなくて、ブロック塀を乗り越えて公園に入ると、数メートル先に入り口が。
しかも、イメージしていたゲートとは全然違う。人一人が通れるほど狭い入り口。
ベンチで座ってただただ時間が過ぎるのを待つ。
隣にスラムがあるせいか、とにかく汚い。ハエや虫が多い。でも、どこにも行き場がない。
ただ、耐えるのみ。
公園を抜け道としている人も多く、仕事に向かっている人が目の前を通りぬけていく。
しばらく人々の動きを観察していると、公園の所々に食べ物を置いていく人がいる。
多分、野良犬や小動物、小鳥のエサのつもりなのだろう。
確かに、公園が汚くなるなと思った。
公園にずっといるのも辛いので、九時くらいなった段階でFRROの事務所の前に移動。
すでにドレッドヘアのアフリカ系の男性も待っていた。
試しに声をかけたが、愛想もなく、会話が発展することはなく。10時まで待つ。
その後、受付がスタートして手作りの番号札を渡されて待つことに。
私と同じように何かしらの用事で来ている外国人が数人ほど待っている。
私の順番が来て、担当者に事情を話すと、横柄な態度で「e-FRROに登録しろ」と言うだけ。
やっとの思いでここまで来たのに2,3分で終了。

気を取り直して、ログインしてみるが、パスワードがわからなくて難航。
三年ぶりのログインで非常に困る。

ログインするだけで30分以上の時間を費やす。
その後、サイトを見ると、いくつかのドキュメントをアップロードする必要が生じる。
その一つに賃貸住宅の契約書かCフォームが必要。
家の契約書がなかったので、ホテルに泊まってCフォームをゲットするためにホテルを予約することに。
詳しい登録の仕方はこちらのサイトを参考に⇒【最新版】インド在住者必見!《FRRO/e-FRRO》オンライン申請方法を分かりやすく解説!
少し前の記事ですがわかりやすいです。
ホテルに到着

予約したホテルの地図と住所が違っていたため、到着に予想以上の時間とお金がかかってしまう。
徹夜状態で心身ともに疲弊していたが、とにかく一刻も早く、FRROに登録を済ませたい。
ホテルでCフォームをゲットして、必要事項を入力してから、ドキュメントをアップロード。
この時点で午後三時。
前日の夕方からまともな食事をしていない。ほぼ、気力で動いている状態。
ホテルのルームサービスを使ってご飯を食べることに。
ダルカレー、パロタ、サラダ、フレッシュジュースを注文。全部で400ルピー。日本円で800円弱。
待つこと30分。久しぶりの食事である。
インドのサラダは、野菜が薄くカットされているのが並んでいるだけ。トマト、キュウリ、ニンジン、タマネギ。日本ではサラダとは言わないだろう。
とにかく、栄養補給。
食後、しばらく横になる。
二日間同じ服だったので、洗濯をする。
洗濯をして、シャワーを浴びようとしたら、お湯が出ない。慌ててフロントに電話。15分くらい待てとのこと。
インドで少し待てと言われると大体一時間以上かかる。
裸で茫然とする。
しばらくはそのような状態だったが、気を取り直して寝巻きの姿に。
しかし、しばらくすると足がつりだす。両足共。さらには足の指も。
心身共に疲弊してしまい、体は悲鳴を上げてしまった。自律神経がおかしくなっている。
これが限界を超えたということか。徹夜をして、かつご飯を食べないというのは、人間の体に相当のダメージを与えるということである。
何とか、ぬるいシャワーが少し出たので、体を洗って寝ることに。

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FRROから問い合わせは?

書類の受理のメッセージが届く。
その後に追加の書類のアップロードの依頼も来た。
地元の企業の招待状が必要とのこと。
しかし、私の場合は買い付けで来ているので、地元の企業とは特に結びつきはない。
しかも、ビザを取得したときに企業の招待状は必要なかった。
後で確認したのだが、2023年10月以降は、eビジネスビザを取るのに地元企業の招待状が必須になったとのこと。
事情を説明した趣旨をまとめてから、PDFに変換してアップロード。
そして、すぐに返事が来るだろうと思っていたが、そこからが長かった。
何にも連絡なし。
ホテルで一日一日を過ごすのみ。
「延期される期待は心を病ます」とあることわざにあるが、明日来るかもしれないと考えて待つと精神的に良くない。メンタルを保つのが難しい。
ストレスのせいか、木曜日の夜に食べたモモ(餃子)のせいかわからないが、胃と腸が完全に壊れてしまい、水のような下痢。体力ゼロの状態に。このような時に体調も悪くなるとめちゃくちゃネガティブになる。
これはすぐに解決しない問題だと開き直る必要がある。
そして、二週間が経過。
もしかして、このまま待っていても登録は完了しないかも。そんな焦りが出てくる。
今月末でビザも切れてしまう。そうなるともっと問題が大きくなる。
日本大使館にも催促のお願いをしたが進展はない。
もう一度、FRROの事務所に行くことに。
11時くらいに到着。着いた時点で外国人は一組だけ。すぐに順番が回ってくる。
登録はしたが返事がない旨を伝えると、アプリケーションフォームを持ってこいとのこと。
アプリケーションフォームはFRROの登録申請用紙である。
事務所の隣で30ルピーを払い印刷してもらい、再度受付に戻ってくる。
担当者は申請用紙を見ながらパソコンを見るが、「チェックに数日かかるから」と言われてしまう。
そして、「メールが来るまで待つように」と言われて終了である。
こんなんだったら、もっと早く来て催促すればよかったと思う。
多分、訳が分からないのは面倒だから保留にされて永遠に解決しない。
いつもいい加減なインド人が急に厳しくなり真面目に仕事をしたかと思いきや、やっぱり根本が適当だから仕事が終わらない。
インド人に振り回されて、頭も体も疲弊してしまう。
こんな経験したら、99%の外国人は二度とインドに足を踏み入れないのではないかと思う。
事態が進展する


数日後、メッセージが届く。
予約した飛行機のチケットをアップロードするように。
いつ帰ることが出来るかわからないので、飛行機のチケットを予約することが出来なかった。
しかし、このメッセージによれば、予約していい。
では、いつのチケットならいいのか。最短で購入していいものなのか。
出国許可が得られなければ、チケットの日付を変更する必要が生じる。
とりあえず、翌週のチケットを確認するが、直行便はどれも高い。片道で10万円以上する。
銀行口座にはほとんどお金が入っていないので、リッチに直行便で帰ることが出来ない。
そこで、香港乗り継ぎの経由便を購入。それでも片道で6万円以上した。
ギリギリ。
水曜の深夜便を購入したが、もし、出国許可が得られなかったら、日付変更でさらにお金がかかってしまう。
本当に日本に帰ることが出来るのかと不安に感じる。
8月19日の月曜日はインドの祭日なので政府関係の仕事は休み。と思っていたが、FRROからメッセージが届く。
支払いをするように。
登録申請が遅れた場合、罰金があると聞いていたが、ネット情報では金額がマチマチでどれが正しいかわからなかった。
もし、高額であるとお金が足りない。
恐る恐るログインして確認してみると、何とたった500ルピー。よかった。
しかし、問題は日本のクレジットカードで支払いが出来ない。
外国人が支払いをするのに何で海外のクレジットカードが使えないのか。理解に苦しむ。
試しにカード番号を入力してみるが、エラーになる。
そして、一度エラーになると30分は作業が出来なくなる。こちらとしては、一刻でも早く支払いを済ませたいのに。30分は何も出来ない。
現地の知り合いにお願いして支払いをしてもらうことに。
無事に支払いを完了して、待つこと30分。月曜日の夕方に出国許可の書類がメールで送られて来ました。感動。

本当にギリギリ。
翌日の火曜日の夜のフライトを予約していたので、間に合ってよかった。
出国許可証を印刷して準備は完了。
あとは、飛行機に乗って帰るだけ。
そもそも何が問題だったのか
そもそも何が問題だったのでしょうか?
eビジネスビザをとった時に、書類にはインドの滞在が180日を超えた場合は、2週間以内にFRROに登録するように書かれている。
そのため、180日以内に一度日本に帰国しているので、一回の滞在で180日を超えていることはない。
しかし、次の文を見落としていました。「滞在の日数がトータルで180日を超えた場合も登録が必要。」
つまり、出国して再度インドに入国したら、そこから再度カウントされるのである。
FRROに登録が面倒だから、一度出国したがそもそもそれは無駄な行為であったのである。
素直に登録していればよかった。
しかも、登録は事務所に行かなければいけないと思っていたが、実際のところはWebで登録が出来ることも知らなかった。
今回は、大きな失敗をして、経済的にも精神的にも体力的にも大きなダメージを受けてしまった。
他の人が同じような失敗をしないためにも、私の失敗から教訓を学んでいただければ幸いである。

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