ここ最近インド人の知り合いで、51歳の女性一人と47歳の男性一人が亡くなり追悼式がありました。
周囲にも旦那さんを無くした友達が何人もいます。彼女たちは30代から40代です。
心臓発作で亡くなった話をよく聞きます。
なんでインドではこんなに若くして人がなくなるのか?!
と驚きでした。
最近はコロナに感染して命を失う人もいますが、インド人の平均寿命は短くWHOの資料によれば68.8歳(2016)で世界第124位。
日本が84.2歳で第1位、お隣の中国が76.4歳で第50位。だいぶ差があります。
日本や中国はすでに高齢化社会ですから、街を歩けばたくさんの年配者を見かけます。
しかし、インドは平均寿命が短いせいか、街を歩いていても年配者をあまり見かけません。日本の少子高齢とは逆に年配者が少なく、若い人の方が多いピラミッド型になっています。
なぜインド人の平均寿命は短いのでしょうか?
環境と食生活がインド人の寿命を縮めているのだろうかと思いました。
空気はとても悪い状態です。
もしかして国民食のカレーが問題???
確かなことはわかりませんが、観察して思ったことをまとめてみました。
目次
国民食カレーの食べ過ぎ?
日本の家庭で作るカレーはお肉やジャガイモ、ニンジン、玉ネギなど入って栄養満点です。
しかし、インド人が家庭で作るカレーはすごくシンプルです。
主食はご飯かチャパティと呼ばれる薄焼きのパン。カレーといってもサラサラで粘度も低くソースかディップのような感覚です。
カレーの上には油がたっぷり浮いています。
つまりほんの少しのカレールウでご飯を一杯食べられるというわけです。
貧しい国に見られる傾向ですが、油と砂糖、塩の摂取が多いです。
そのため、食べている量は多くないはずなのに肥満という問題を抱えるようにもなるかもしれません。
飢餓と肥満は同時に起こりうる問題なことがわかります。
インド人の食卓を見てわかるのは、明らかに野菜不足の食事です。ベジタリアンが圧倒的に多いので、お肉や卵も食べません。タンパク質不足になります。
成長期にしっかり食べられないで育つなら、丈夫な体をつくることが出来ませんし、まして免疫力をアップさせることも難しいのかもしれません。
それでも裕福な人ならナッツや豆類など他のもので栄養を補うことが出来ますが、所得が少ない人はそこまで出来ません。
実際インドでは、子ども人口の30%が栄養失調です。
10年前は40%だったので改善されていることがわかりますが、それでも子供たちの栄養が足りていないことがわかります。
近所の子どもたちを見ていますとぽっちゃり体型の子はほとんどいません。鉛筆のように細い。
この世の中に死と税金ほど確かなものはない
アメリカ人ベンジャミン・フランクリン1789年
こちらも参考に→【インド移住生活】主食として何を食べているか?
〈広告〉
野菜たっぷりのインドカレーを作ってみませんか。
大気汚染は寿命を縮めている?
「現在,大気汚染は世界で最大の環境健康リスクである」と世界保健機関は述べています。
インドは世界でもトップクラスの大気汚染の国です。中国は改善が進んでいますが、インドは悪化の一途を進んでいます。
一部の地域住民の寿命は、高濃度の大気汚染で11年短縮されるという報告もあります。
今住んでいるプネー市は、乾季と雨季がありますので、季節によってだいぶ違います。
雨季の時期は雨が頻繁に降りますので、PM2.5の数値は比較的低いです。しかし、乾季になる11,12月になると数値が高くなります。200~300くらい。
それでも、大気汚染を心配してマスクをつける人はいません。
まして空気清浄器を使っている世帯はほんの一部でしょう。
今日一日を生きるのに必死ですから、健康のことまで考える余裕はないのかもしれません。
水が悪い?
日本と比べたら間違いなく水質は悪いです。日本は世界でも珍しい水道水がそのまま飲める国ですから、酷な比較かもしれません。
インドの上水道の70%が汚染されており、毎年推定約20万人が死亡していると言われています。
家に水道設備がない世帯も多くあります。
室内にある巨大タンクに水をためておき、桶で汲んで使用します。
使える水は限られていますから、当然手洗いや食器類の洗浄が徹底されなくなるのも当然です。
安全な水が、たくさん自由に使えるなら、もしかしてインド人の寿命は延びるかもしれません。
こちらも参考に→インドの水は本当に世界最悪なのか?【インド移住生活】
他に考えられる原因は?
デング熱にかかって亡くなる人もいます。
デング熱は蚊を媒介してうつりますので、注意が必要です。
治療薬がないので対処療法になります。
インド生活で蚊帳は必需品です。
詳しくはこちらで→インド蚊よけ対策には蚊帳が一番効果的である
交通事故で亡くなる人もいます。
2019年に同国で発生した交通事故による死者数は15万1,113人
インド道路交通・高速道路省
世界の死者数135万人の約11%を占め、国別で最も多いです。
日本では考えられないくらい道路はカオス状態です。最近友達が自転車で仕事帰りにバイクに直撃され、右腕を骨折してしまいました。
医療格差の問題もあります。
貧しい人は医療費を負担できずに治療できない場合があります。コロナのPCR検査費用が1,000ルピーほどかかりますが、それさえ負担できない人がたくさんいるのです。
落雷で亡くなる人。
毎年2000人以上。
主に農家の人ですが、モンスーンシーズンに入る直前が種まきの絶好のタイミングです。
そのため、避雷針がない畑で働いている時に雷が落ちて命を失ってしまうのです。
熱波で亡くなる人もいます。
インドのエアコン普及率は5%。日本の普及率は2020年時点で91%。だいぶ差があります。
では、インドが涼しいということでしょうか。
そのようなことはありません。めちゃくちゃ熱いです。
私が住んでいる街は一番暑い時で40度以上になります。一部の地域は熱波で50度にもなるのです。
過去に熱波で亡くなった人が2200人を超えた年もあります。
トタン屋根の家に住んでいる人もいますから、夏はすごい暑さになることが想像できます。
インド人の寿命が短い理由を調べてわかったことは?
寿命が短いのにはたくさんの要素が関係しており、解決するのは簡単ではありません。
必ずしも物理的要因だけではないでしょう。
死は誰にとっても悲しいことであり、望まない別れです。
多くのインド人は他の国の人と比べて平均寿命が短いことを知らないことでしょう。人々は日々必死に生きているので、それどころではないでしょう。
サラサラのカレーがおちょこ一杯分しか食べられない人や、それさえもない人がとてもたくさんいます。
どれほど長寿の国であっても120歳を超える人はごくごくわずかです。
科学者たちは老化や病気の原因をつきとめるヒントとなる物質を見つけようとしています。
人間の寿命は屋久杉に比べればものすごく短いものです。
少しでも屋久杉に近づくためには野菜を食べて、運動して、よく寝るしかないと思うのでした。
〈広告〉