親が亡くなった後にする手続きはたくさんありますが、それにはかなりの手間と時間がかかります。
その中で相続関係の手続きをスムーズに行うために法定相続情報証明制度を活用できます。
親が亡くなった後に、銀行や名義変更の際に家族全員の戸籍謄本が必要になります。
それぞれの機関や会社に提出しなければいけません。しかし法定相続情報制度によって法定相続情報一覧図という書類が発行されます。この写しが、家族全員分の戸籍謄本一式と同じ役割を果たします。
これがあれば毎回全員分の戸籍謄本をそろえる必要がないので、とても便利です。
では、どのように手続きをすればいいのでしょうか?
費用はかかりますか?
どんなメリットがありますか?
法定相続情報証明の手続きはどうする?

手続きは家の近くの法務局で出来ます。
私も今回初めて行きましたが、自転車で30分ぐらいの場所にありました。
STEP1
まず最初にすることは必要書類を集めること。
必要書類とは、
●亡くなった親の住民票の除票もしくは戸籍の附票
●相続人全員の戸籍謄本もしくは戸籍妙本
●相続人の代表者の身分証明書のコピー
●相続人の住所を証明する公的な書類
です。
私の家族は相続人が5人だったので必要書類を集めるのに時間がかかりました。
STEP2
次にすることは、法定相続情報一覧図を作成。
フォーマットが法務局のホームページにあるのでダウンロードして作成することが出来ます。
注意点として、住所は任意ですが記載した方が相続の手続きがスムーズ。
あと、続柄は戸籍に記載されている通りに書きます。
例えば、「次男」か「二男」かで迷った場合、戸籍謄本と同じように書きます。

STEP3
必要書類と一覧図を持って法務局に行きますと、申込書がありますので記入して併せて提出します。
出来上がった書類は後日取りに行くことも出来ますし、郵送してもらうことも可能。
郵送を希望する場合は、レターパックなどを事前に購入しておく必要があります。
必要書類を集める際の注意点は?

今回、私が失敗した点ですが、戸籍謄本はいくつにも分かれているという点があります。
どういう事かというと父の本籍が横浜にあったので、それだけでいいのかと思っていました。しかし、後日法務局から連絡があり、生まれてから結婚までの戸籍謄本が必要だということ。
結婚や個人的な事情で本籍地を変えることがあります。
そのため、横浜から取り寄せた戸籍謄本を元にその前の戸籍謄本を調べて取り寄せる必要があるのです。
佐賀の唐津市に父が生まれてから結婚までの除籍謄本があることが判明。
唐津市役所に電話して、確認すると除籍謄本が2通あるとのこと。合わせて1500円。
申請書を唐津市役所のホームページからダウンロードして、郵便局で普通為替を購入して除籍謄本を取り寄せました。1週間ほどで到着。
取り寄せた除籍謄本を見てみると、知らない親戚の名前がたくさんあります。父の兄弟も多い。戦後まもなく幼くして亡くした兄弟がいたのです。
費用はかかるの?法定相続一覧図を作るメリットは?
費用は無料です。
では、どんな人がこの制度を活用するメリットがあるのでしょうか?
それは相続の手続きで複数の関係機関に書類を提出する場合です。
どういうことかというと、従来の方法ですと、書類一式をA銀行に持って行って手続きをします。それが終わってから書類を返してもらい、今度はB銀行に持って行きます。その後登記所という具合に提出と返却を繰り返しながら手続きをするのです。
そのため、時間がかかります。
しかし、法定相続情報一覧図がありますと、手続きが同時に進められるので時間短縮につながります。
今回の私のケースですと銀行、証券会社、不動産の登記などで手続きが必要。
もし、手続きする関係機関が2か所ぐらいなら、法定相続情報一覧図を作るメリットはないと言えます。
親が亡くなった後にする手続きはたくさんありますが、いくつかは並行して行うことが出来ます。遺産分割協議書を準備しながら必要書類を集めることが大事だと思います。
では、遺産分割協議書とはどのようなものでしょうか?其の三に続きます。

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